再生ゲーム
「メールのやり取りをしていたのは本当か? りん、何とか言いなさい。その沈黙は答えなのか?」


拓也の推し量る眼が、りんに向けられる。拓也だけを愛するりんにとって、それは壮絶もない痛手だろう。


「メールはしていたわ……でも何も無いわよ。近所付き合いと一緒よ」


りんは縋るような眼で拓也を見つめた。だが、その効果は無かったようだった。


「……何故、隠していた? 理由を言え! りん!」


「拓也さん、まぁそう興奮なさらずに……冷静になって聞きましょう。理由があるはずですよ。

こんな献身的に拓也さんを愛するりんさんが、簡単に股を開くはずがないでしょう?」


――僕には分かる。散々学校であの男を見てきたんだ。猿田は心で笑っている。
< 659 / 724 >

この作品をシェア

pagetop