再生ゲーム
「よ! 神谷。待ってたよ」


「……るい」


神谷は僕の声に、一瞬だけ眼を輝かせたが、またたくの間に陰りを見せた。


「一緒に帰ろう」


「るい、大丈夫。心配しないで逃げないから……でもこんなことは中学までと、約束して欲しい」


――何だよ、僕が好きなくせに。


「違うよ。今日はお前と遊ぼうと思って。実はさ……綾、あのことを猿田と継母に漏らしたらしいんだ」


「あのことって……綾も知ってるの? なんで!」


神谷は1オクターブ上がり、声を震わせた。
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