再生ゲーム
 私には愛という存在自体がないのかも知れない。るいに対してはどうなんだろう? 


……あれは好きという気持ちだよね? でも最近は、ちょっと違う気もしている。


私のことが分かってくれそうだから、好き? それだけかも。これって好きとは違うのかも知れないな……愛だけじゃなく、好きにも色んな形がありそう……。


「綾。今帰り? そうだ、一緒に帰ろうよ。僕、一度君とはゆっくり話がしたかったんだ」


ぼんやりと校門を出ると、神谷の声で我に返った。


「神谷君、どうしたの? 珍しいね、私を誘うなんて……別に良いけど?」


「こっちに落ち着いて話せる場所があるんだ、そこへ行こう。クラスの奴らに見られたら煩いしさ」
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