再生ゲーム
 動揺が見え隠れする声色。誤魔化すように神谷君は、また背中を見せ歩きだした。


――おかしい。


たきつけるように勘が働く。


「るいに何か言えない事でもあるの? ……私で良かったら相談に乗るよ?」


神谷の背中は振り返らず、歩みを止めなかった。


「神谷君、私のことを好きなの?」


ピクリと背中が、少しだけ反応を見せる。


「そんなはずないよね? 今までそんな態度を見せてこなかったんだもの……

好きじゃない人を、あんな場所で普通襲おうとするかな?」
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