再生ゲーム
「あのこと? あのことって何?」


「惚けるな!!!!

……僕は虐められている君を庇うことも出来なかったし、救うことも出来ない臆病者だよ。だけどこんな風に罰を与えなくても――」


「罰って? 本当に分からないのよ……神谷君、分かるように言ってくれないかな?」


震えている拳がピタリと止まり、また背中を向けた。


「君のこと……可哀相って思ってた。でもそれは間違いだったよ。とても口の軽い女、それだけだったんだね――詳しくは公園でゆっくりと話すよ」


「……分かったわ」


なんだか嫌な予感が漂う。でもその先には見えなかった答えがあるような気もする。


隠された悪の問いがあるのならば、その解答が見たい。私は黙って着いて行くことにした。
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