再生ゲーム
 じめっとした公園。雑草が生えっぱなしで時計も無い。あるのは二人分の暗いブランコだった。


その前にはペンキが剥がれた、ボロボロのベンチ。あちらこちらが草だらけで青臭い香りが鼻に突く。


「神谷君、こんな所に公園があったんだね? 私知らなかったよ……で、話の続きを聞かせて欲しいな?」


――こんな所にまで連れてくるなんて、よっぽど聞かれたくない話があるの? それとも警戒心が強いのかなぁ……


「あーや」


背丈の高い雑草が生い茂る場所から、るいが現れた。


「何してるの? るいこんな所で?」
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