再生ゲーム
 草と草の合間から、姿を見せたるいは、含み笑いを浮かべていた。


「僕も神谷に呼び出されたんだよ。驚いたでしょ? ネックレスの真相を知っているなんて」


「え? ……一体なんの話?」


後ろにいる神谷の方を振り返ると、気まずそうに俯いている。


「神谷、話していないのか? チッ!」


舌打ちをする、るい。何が起こっているのかさっぱり分からなかった。


「綾、神谷はあのサファイヤの真相を知っているんだって。こっちにおいで、ここに真実があるから……」


「そうなの?」


草を掻き分け一歩一歩、るいの側に近づく。草は雨露が染み込み、触れる度に指先がぬるっとした。
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