再生ゲーム
 ガサガサと同じような音が背後からも聞こえてくる。神谷君も近づいているようだ。


――一体こんな場所に何があるというの? えっ?


「捕まえた! あーや。もっと早くに、こうすれば良かったんだね……シャンプーの良い香り――」


「や、止めて! 何するの?」


るいに近づいた私は、そのまま腕の中へ抱きしめられた。


「綾、僕のこと好きでしょ? 相思相愛だよね?」


私の顎を無理やり持ち上げ、るいが語る。荒い吐息が頬に熱くかかる。近づく唇を無意識に避け、助けを呼ぶように振り返った。


「神谷君、真実って何!?」
< 689 / 724 >

この作品をシェア

pagetop