再生ゲーム
 ――し・ね

私達の気持ちを表すかのように、『し』と『ね』を高速で10円玉が行き来する。


「帰って貰おう! まずいよ!」


麻美の言葉で見合わせた私たちは、急いで霊が帰る呪文を唱えた。


――こっくりさん、こっくりさん。今日はありがとうございました。鳥居にお戻り下さい。


高速に動く10円玉の勢いは止まらない。おかしい! もう動かしていないのに! 


10円玉は等々『し』の文字でクルクルと回りだした。


――こっくりさん、こっくりさん、お帰り下さい。


「どうしよう! 帰らないよ!」


美里の叫びに、私も動揺した。
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