再生ゲーム
 唇に体重が乗せられ、背中が徐々に仰け反った。腰を支えるように腕が回され、力が入る。るいの腕力は怯むことはなく、草むらに軽々と押し倒されてしまった。


――痛い!!!!


泥の地面に叩きつけられ、後頭部や背中に痛みが走る。だが今は、そんな衝撃に構う暇はなかった。


「止めて! 何するの! これは犯罪よ!!!! 誰か助けて!!!!」


激しく腕と足をじたばたし抵抗する。反抗すればするほど、るいの手に力が込められた。


辺りは荒々しい音楽のように、ガサガサと草が奏でていた。


――この状況……あの時と一緒。迂闊だった! るいはやはり信じてはいけない人だったのね!
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