再生ゲーム
「るい! こんなことをして人の気持ちが簡単に手に入ると思っているの!?」


「……もういいんだ。心なんて。綾が、ただ側にいてくれればいい。好きや嫌いなんて、もうどうでもいいんだ――」


スカートが捲り上がる、絶体絶命だった。目蓋をぎゅっと瞑り大声で叫ぶ。


「誰か助けて!!!! 誰か来て!!!! 

私は何も喋ってないないわ! 神谷君誤解よ! 貴方はるいに惑わされているのよ! 貴方も犯罪者になるの!? 離して!」


「……うるさいなぁ。そんなにおねだりしなくても、口付けしてやるよ」


――グッ!!!!


もう駄目なの? 


頬に一筋の涙が流れ、シャッター音はそれでも止まることはなかった。
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