再生ゲーム
 猿田は私の手を掴み立ち上がらせた。同時に体のあちらこちらに鈍い痛みが駆け巡る。


「るい君。年の差なんて関係ないんだよ。愛は魂同士の共鳴なんだからな。

君こそ、いい加減に幻想を追うのを止めたらどうだ。とっくに振られているのが、まだ分からないのか? お義父さんと君は違うんだ。早く気づきなさい」


るいは、もう一度私に手を伸ばしたが躊躇し、引っ込めた。大人の力には敵わないと悟ったんだろうか。


「猿田……覚えてろよ。僕が大人になったら、ぶちのめしてやる!」


るいは唾を地面に吐き、天使の顔を歪ませた。


そのままゆっくり歩き、公園から出て行った。走り出さないところが、るいのプライドの高さを感じさせられた。
< 694 / 724 >

この作品をシェア

pagetop