再生ゲーム
「先生……ありがとう。どうして分かったの?」


「綾は自分のことを本当に分かっていないなぁ。容姿で目立つんだよ君は。

それにホモの噂がある神谷と二人で歩いているんだ。生徒たちが騒ぐのも無理はない。耳に入るのは当然だ」


「そうなんだ……」


洋服に付いている泥を払う。手の平が湿ってざらつき、気持ちが悪かった。


――もう、るいは一生信じない。


心の中で何度も木霊させた。


「あ、これは! サファイヤのネックレス! 神谷君がなぜ? ……まさか、りさの件もるいが?」


落ちているサファイヤを手に取り、ぎゅっと握り締めた。


――まさか、るいがここまで私を罠に嵌めるなんて!
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