再生ゲーム
 アスファルトを猿田と横並びで歩き、我が家にじんわりと近づく。るいは帰宅したのだろうか。


「先生、なんで先生はりんが好きなの? どこが良いの?」


ふとした疑問を投げかけた。


父の名前ばかりを呼び続ける女の心に、本当に入り込む余地があるのだろうか。


「綾は可憐で美人だから好きだが、りんは可愛さ余って憎さ100倍ってとこさ」


「それってどういう意味?」


「先生は君のお父さんよりも、もっと以前から深い仲だったんだ。綾のブログで確信を得たんだよ」


――昔、付き合っていたという事? まさかね。


「あれ? 聡子のお母さんだ」
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