再生ゲーム
「そんな危ない物は仕舞いなさい」


冷たい床の上で硬直しながら、二人のやり取りに耳を貸す。


――お母さん。あの女の本性がやっと全て分かるよ。お願い、あの凶器から私を守って!


二人は見つめ合い牽制している。こちらの様子はどうでも良さそうだった。


ポケットから母の形見の携帯をそっと取り出し、ゲームの影を使い父の番号へコールした。そしてそっとまたポケットに戻す。


――天国からのお母さんの声、お父さんに届け!


「危険な物? 良く言うわよ。あんたの方が、ナイフは使い慣れているでしょ?」
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