再生ゲーム
 猿田は叫び、真っ青な顔をして耳を塞いでいた。その両手は微動している。


りんの両手には引き抜かれた両耳の毛が握り締められ、その毛をふわりと床に落とし、足で踏みにじった。


「さぁ。これで幸運は消えた。これから貴方に訪れる運命は不幸だけよ? 帰りなさい。私と拓也さんの仲は、あんたなんかに引き裂けない!」


「よくも、よくも僕のシンボルを……絶対に許さない! このアマ!」


――先生がずっと大事にしていた毛が――怖い、怖いわ。逃げる準備をしておかないと――ああ、でも足が震えてしまう。


「きゃあ! 止めて! 触らないでよ! もうあの頃の私じゃないの! 美しいのよ私は! あんたになんか触らせるモノか!」


「力ずくしかないようだ!」
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