再生ゲーム
「……せ、先生? 死んだの?」


ゲームを抱きながらも膝を立て、身を上げようとした。だがその瞬間にポケットから開いた携帯が滑り落ちてしまった。


床に転がる携帯。血の色で染まったりんは、その物音を聞き、こちらを見た。その眼は焦点があっているのか分からなく、暗く据わっていた。


――しまった! 


「綾ちゃん? その携帯は何? 誰の? 誰のなのよおおおお!!!! 私は買い与えた覚えはないわ!!!!」


ソファーからゆっくりと立ち上がる血染めのりん。生臭い血の香りが濃く、鼻腔に突く。


――こ、怖い!


「これは何でもないの。いつも持ち歩いている母親の形見なの……」
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