再生ゲーム
「母親の形見? ……何を言っているの? お母さんはここにいるじゃないの――ねぇ、その電話はどこに繋がっているの?」


ジリジリと近づくりんに、逃げる準備をしようと、刺激をしないようにゆっくりと立ち上がった。


「どこにも繋がってないよ、り、りんさん……救急車を呼ばないと先生が死んじゃうよ――」


りんは足で蹴飛ばし、猿田を仰向けにした。


「ふん。……もう死んでるわよ? こんな異常者死んで当然よ? それより――この事、拓也さんには黙っていてくれるわよねぇ? そうじゃないと私、とっても困るのよ。約束してくれるわよね?」


血糊の手がこちらへ、スッと伸びた。


「いやあああああ!!!!」
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