再生ゲーム
「大丈夫か綾!」


「お父さん!」


ゲームをしっかりと胸に抱え、玄関先から現れた父の元へと走った。


――母の形見の携帯から父へ、しっかりと声が届いたんだ。ありがとうお母さん。良かった……。


安心したのも束の間だった。血染めの女は、目の前で動揺しているのだから。


「た、拓也さん! これは違うの。違うのよ……ねぇ、私のことを愛しているわよね? そうよね? だったら――」


「ふざけるな! 俺を騙したな! お前が七海だなんて一生の不覚だよ! まさかお前がストーカー相手だったとはな……悔やんでも悔やみきれない!」
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