再生ゲーム
 ナイフの先からは血が滴り落ちている。まるで猿田の血の涙のようだった。


「お、お父さん……怖いよ」


「お前は逃げなさい!」


足がガクガクと震えて動かない。それよりもお父さんを置いて逃げるなんて出来ない。お母さん助けて!


「安心して。貴方を刺したら私も死ぬ。あの世でずーっと一緒に暮らしましょう。あっちの世界だったら邪魔な綾もいないしね。 

さぁ……お遊びはここまで。私は本気よ? 拓也さん。綾ちゃんを巻き添えにしたくなかったら、こちらへ来なさい?」


「綾、すまなかった。本当にすまない……こんな奴に唆され、朋子を死に追いやってしまった。お父さんはもう死んだ方が良いのかもしれない――」


「何言ってるのお父さん! 駄目よ! 絶対に駄目!」
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