再生ゲーム
「先生……何言ってるの? 止めてよ――」


――あの麻美が後退りをして震えている! 好い気味!


「不埒な両親が味方だとぉ? 君は味方の意味を履き違えているんじゃないのかい? 

勉強し直した方が良いね。お父さんは、未だに遊びを止められないんだろう? 

毎夜、酒臭く帰ってはこないかい? 母親は母親で、資金繰りの為に出会い系に夢中らしいじゃないかぁ。

携帯を放さないお母さんに、君は寂しい思いをしてきたんだろぉ? 言っちゃえよ、寂しいってさぁ」


猿田は仕留めた鼠の死体を遊ぶ猫のように、麻美の表情を楽しんでいた。


「わ、私は寂しくない! 恵まれているんだ! 寂しくなんかない!」
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