ブラッディ・ラブ


「じゃああたし何か作るね!血が駄目ならせめてご飯食べていって?
黎、なにか嫌いなものとかある……、きゃあっ!!」


「あぶな……っ!」



貧血のくせにやけにスッと綺麗に立ち上がったと思ったら、案の定、立ちくらんだのだろうクレハはグラリとバランスを崩した。


手を伸ばして支えようとしたが間に合わず、そのままふたりで倒れこむ。


気付けば仰向けの俺の上にクレハが乗っかっている体勢だった。



「ご、ごめ……」


「いや、いい」



もともと俺が血を吸ったせいだ。



「……黎、ホント綺麗な顔してるね」



そう言って微笑み、俺の上から退こうとしたが、クレハは途中で動きを止めた。



「どうした?」


「ごめん……、髪、絡まっちゃったみたい」



申し訳なさそうに言う彼女の視線の先を見れば、確かに長い髪が俺のシャツのボタンに絡まってしまっていた。


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