ブラッディ・ラブ
「解けそうか?」
「うーん……、待って、頑張る」
言いながら、彼女は真剣な表情で髪をほどきはじめた。
真剣な瞳。
……どうしてだろう。
すごく、……そそられる。
「あ、よかった。とれそう!」
そう言った直後、するりとボタンに絡まっていた髪が解けた。
それと同時に俺の上から退こうとするクレハ。
……気付けば、その身体に手を伸ばして。
ぐっと距離を詰めていた。
「黎……?どうしたの、髪、解けたよ……?」
「……クレハ」
至近距離で名前を呼ぶと、彼女は頬に朱を走らせた。
「……そんな風に呼ぶの、反則だよ」
恥ずかしそうに俺の目を見ながらそう言ったクレハに、どうしようもなく鼓動が高まって。