ブラッディ・ラブ
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「おかえりなさい、黎」
1ヶ月ぶりに故郷の家に戻ると、温かい笑顔の母親が迎えてくれた。
「あなたなら生きて帰って来てくれるって信じてたわ」
「……ああ」
「こんなに痩せて……。すぐにご飯用意するわね」
母親がそう言ってくるりと背中を向けた。
『待ってて!ごはん作るから!』
1ヶ月ぶりの再会だというのに、頭に浮かぶのは無邪気なクレハの笑顔。
「あ、ご飯より血の方がいいわよね。あなた1ヶ月もちゃんとした食事してないんだものね」
そう言って、母親はふわりと、微笑んだ。