ブラッディ・ラブ


──────。



「おかえりなさい、黎」



1ヶ月ぶりに故郷の家に戻ると、温かい笑顔の母親が迎えてくれた。



「あなたなら生きて帰って来てくれるって信じてたわ」


「……ああ」


「こんなに痩せて……。すぐにご飯用意するわね」



母親がそう言ってくるりと背中を向けた。



『待ってて!ごはん作るから!』



1ヶ月ぶりの再会だというのに、頭に浮かぶのは無邪気なクレハの笑顔。



「あ、ご飯より血の方がいいわよね。あなた1ヶ月もちゃんとした食事してないんだものね」



そう言って、母親はふわりと、微笑んだ。


< 15 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop