手をつなごう


ふっ・・・


ハルは、椿の顔を見て目を丸くした。


今までで一番、綺麗な笑顔を見た。


真っ直ぐハルを見て、優しく微笑んでいる椿の顔から、ハルは視線を反らした。


そして、強く目を閉じる。


カタン・・・










ハルが目を開けた時、そこに椿の姿は無かった。


激しい雨音だけが残っていた。




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