手をつなごう


「あの・・・お連れ様の傘です。御手洗いに行かれたのかと思いましたが、どこにもいらっしゃらなくて・・・」


店員の手には、ハルが椿にプレゼントした青い傘があった。


ハルは、傘を受けとると会計をすませ、雨音激しい外へ飛び出した。


辺りを見渡すが、椿の姿は何処にも見当たらない。












それが2人の最期だった。

それから2年。

椿は、ハルと会う確率の高い場所から離れていった。





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