手をつなごう
現実
「・・き、つばき・・・?」
呼ばれた声に、ハッと我に帰る。
「何・・・?」
覗き込むハルに、素っ気ない返事をする。
「俺っ・・・結婚するんだ。」
陽太は、そっと席を外す。
「そう・・・おめでとう。」
「ありがとう・・・」
胸が苦しい。
もぅ、平気だと思ったから店に来た。
なのに、心は正直に暴れだす。
「式に出てくれないか?縁も会いたがってるんだ・・・」
ズキン・・・
ズキン・・・