手をつなごう


「考えておく。」


呟く様に、言葉を吐いた。


「じゃぁ、決まったら連絡してくれよ。番号は、変わってないから・・・」


ハルは、そう告げると静かに席を立った。


「お会計、頼むよ。」

「ありがとうございます。」


陽太は、ハルを見送るとカウンターに戻って来て、うつ向いてる椿を見た。


爪が肉に食い込み、赤くなっている。


唇を強く強く噛み締めて・・・


もぅ、平気だと思ってたのに・・・


こんなに弱かったなんて・・・



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