手をつなごう


あれから何時間、泣き続けていたんだろう・・・


目は、赤く充血して瞼は腫れていた。


幸いな事に、今日はお客の入りが悪いらしく、店内には椿1人だった。


椿が落ち着いたところを見計らって、陽太は水を差し出す。


ゴクッ、ゴクッ


体の水分が、涙になって出ていったんじゃないかと思うくらい、体は渇いていた。


乾燥していた心に、陽太の優しさという水が潤いを与える。


気持ちが何だか、落ち着いていた。





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