手をつなごう


「はい。これ椿さん専用グローブ。」


陽太に手渡された、真新しいグローブ。


左手にはめて、ハヤトとキャッチボールを始めた。


「つばき、うめぇ~。ようたは、ヘッタクソで教える俺等が苦労したもんなぁ。」


ハヤトの言葉に、みんな『そうだ、そうだ』と、声を揃えた。


「お前等、俺の株が落ちるだろ~。」


ガックリと項垂れた陽太をみて、みんなが笑う。


たわいもない時間だが、椿は傷付いた心が癒されていくのを感じていた。


みんな、暖かくてカワイイなぁ~。陽太、ありがとう。


言葉にはしないが、陽太への感謝の気持ちが溢れてくる。



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