手をつなごう
その後、バッティングや守備練習と、みんな一通りこなしていった。
椿は、たまに混ざりながら、時々はカナと遊びながら過ごした。
「つっかれたぁ~。」
陽太は、ベンチにどっかりと座り込むと空を見上げた。
「ようたは、ジジィだなぁ~。つばきに振られるぞっ」
ぶほっ!!!
口に含んだミネラルウォーターが、勢い良く吹き出す。
「ごほっごほっ・・・がはっ・・・へっ、変な事、ごほっ・・・言うなよ。」
カナが、小さな手で陽太の背中を擦っていた。
「カナは、優しいなぁ。お前だけだよ、いい子は。」
涙目をクシャクシャにして笑顔を見せた陽太は、カナの頭を優しく撫でる。
カナの小さな頬が、赤く色付く。
もぅ、カナは恋を知ってる。
とても懐かしく愛しい気持ちが、椿の胸に沸き上がり瞳から一筋の道を作る。