手をつなごう
「陽太、ちょっと圭一と話さなきゃいけない事あるから、テーブルに移っても良い?」
「俺は、別にカウンターでも良いけど・・・」
「ううん。私が嫌なんだ。ごめんね。陽太、良い。」
頻りに奥のテーブル席を促す椿に、2人とも何も言えなかった。
陽太は、また眉間に深くシワを寄せる。
「僕にも聞かせられない話なんですか?」
「えっ?!あっ・・・う、うん・・・」
口を尖らせ面白くない表情で陽太は椿を見つめ、それに対し椿は後ろめたい事があるかの様に、オドオドと瞳を泳がせた。
この2人、何かあるな・・・?
2人の態度に疑問を感じた圭一は、フッと浅く息を吐き奥のテーブルへと向かう。
「ごめんね。陽太。」
椿は、陽太に謝ると圭一の背中を追い掛けた。
その様子に、ますます陽太は不機嫌を顔に出す。
なるほど・・・陽太は椿をねぇ・・・そして、椿も満更じゃないって事か・・・
圭一は、横目で陽太の感情を眺め、視線を椿に移した。
全く、お前等は中学生かっつーの。