接吻《修正中》
ただ抱きしめるだけで、俺が存在するって理解出来る。

お袋は薬指の指輪を中指にはめる事で、俺の存在を消してたんだろう。

俺が存在する事が嫌だったからなのか・・・?

俺はお袋じゃないから解らないが、俺はそう思った。


「・・・寛久の臭いがする・・・」

「気持ちわりぃ事言ってんな」

「へへへっ・・・」


・・・奈々なら。

笑ったりしないよな?

どんなに俺が恰好悪くても、俺の存在を消したりしないよな・・・?


「・・・俺さ、明日にでも実家に帰ろうと思う・・・」

「え?・・・そうだね、みんな喜ぶよ」


解ってるんだかいないんだか、奈々は在り来りな言葉をくれた。


「そうだと、いいな・・・」


でも。

奈々がそう言うなら、信じてもいい・・・。
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