接吻《修正中》
チャ太郎は凄い勢いで俺の元に突進してくると、高い声で鳴きながら小さな尻尾をピンッと立てた。


「・・・行くか・・・?」


返事を返してくれる訳がないと解っているのに、チャ太郎なら返事を返してくる気がする。

俺はテーブルの上に置いてある黒い携帯を手に取り、カパッと携帯を開いた。

そして、ゆっくり電話帳からある番号を捜す。

・・・かけても、いいのだろうか?

俺の足に前足をチョコンとのせるチャ太郎の頭を、左手でグシャグシャに撫でてやるとチャ太郎はガシガシと俺を引っ掻いてくる。


「チャ太郎」


落ち着きのないチャ太郎の身体を片手で持ち上げ、足の上に置く。

会った頃より、やっぱり重い・・・。

コイツも、ちゃんと成長してんだな・・・。
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