接吻《修正中》
俺だって、本当なら朔と同じように彼女をつくったりして高校生活を楽しめるはずなだった・・・。

なのにアイツのせいで、女を好きになれなくなっちまった・・・。

バスの時間が近付くと、俺達の後ろにバス待ちの長い列が出来た。

下校時間とあって、ほとんどが俺達と同じ学生だ。


「つーか、寛久は大学受かりそう?俺さ、今のままじゃ希望の大学無理そうなんだよ・・・」

「遊んでんのが悪いんだろ?俺は勉強してんもん」


高校を卒業したら、あの家を出る。

ずっとそう考えていた俺は、暇を見付けては問題集に取り組んだ。

別にあの大学に行きたいって訳ではないけど、家から離れられるならそれでいいと思えた。


「寛久だって遊んでんじゃん!」


朔は不満そうに眉を寄せて俺を睨み付けるふりをするが、直ぐにいつもの笑顔に戻る。
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