接吻《修正中》
朔よりも小さいその女は、別にいいのに何度も何度も謝ってくる。


「本当に・・・すみません・・・」


見慣れない制服だから、この辺りの奴じゃないんだろう。

それか顔が幼いから、中学生かもしれない。


「いいよ、別に・・・ほら、バッグ汚れる」


そう俺が言って落ちたバッグを拾ってやると、そのチビな女はニコッと笑い、また深く一礼しバスの前に向かった。

なんだかその笑顔が朔に似てて、俺は小さく鼻で笑う。


「今の制服見ないよね?」

「ああ、中学生じゃねーか?つーか・・・なんかお前に似てた」

「お、俺!?俺って中学生に見える!?」


見た目とかじゃなくて、俺にしか解らないだろう何かが似てる。

笑い方とか。

回りの雰囲気とか・・・。

そんな気がしたから軽い気持ちで朔に言ったのに、朔は真に受けたらしくガクッと肩を落とした。
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