接吻《修正中》
俺が抱いた女に、あんな奴はいた事がない。

だから。

何処で会ったなんか知らない・・・。

でも、その女を見付けるのは簡単だった。

あんなチビで幼い顔した奴が、俺より年上なんて有り得ない。

らしくねえが、大学の知り合いに聞きまくって、チビのいる場所を突き止めてやった。

今頃、あのチビはどんな顔してんだろうか?

人の体を見ておいて、何を考えてんだろう・・・。

そんな事を考えてる自分が、馬鹿みたいにおかしく思えた。


「奈々ちゃんなら、あそこだよ」


・・・奈々。

それが、あいつの名前なのか。

椅子に座る背中は、まるで子犬みたいに小さい。

奈々。

お前みたいなタイプじゃない女を、俺はなんで探してしまったんだろうな?
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