接吻《修正中》
そんな事で、お前は喜ぶのか?

たかが数百円の定食で、お前は笑顔を見せるのか?

なんか、羨ましいな・・・。


「あの・・・」

「何だ?」


奈々は突然静かになると、チラチラと俺の顔を見つめてくる。


「あの・・・彼女いいの?」


・・・彼女・・・?

何を思って、彼女?


「ほ、ほら!さっき一緒にいた、髪を巻いた・・・っ!」

「ああ、あれは彼女じゃねえよ・・・」


えっ?と目を丸くする奈々に、俺は今の言葉を言った事を少し後悔した。

奈々みたいな奴は、俺みたいな奴をどう思うんだろう。

ケイベツ、するかもな・・・。


「そうなんだ・・・」


その声のトーンが余りにも低いから、俺は返す言葉を見つける事が出来ない。

堕ちた場所からはい上がろうともがいても、やっぱり最後は落とされるらしいな・・・。
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