接吻《修正中》
雨は嫌いだ。

雨が降ると、寂しくなる。

誰もいなくて、心細い。

人恋しくなって、気付くと携帯電話の電話帳から手頃な女に電話をかけてしまう。

ザーザーと、強くもなく弱くもない雨の中、後ろから俺の名を呼ぶ。


「知らねえーよ!」

「だって寛久のマンション動物大丈夫じゃんか!」

「俺の部屋は大丈夫じゃねえんだよ、つーかなんで俺のマンションのこと知ってんだよ!」


ビニール傘が二つ並ぶ。

一つは俺で、もう一つはチビ奈々。

奈々がチビすぎて、傘に隠れて顔が見えない。


「いいじゃないかー。もう名前も決めてあるの!ここにね、茶色い模様があるから、チャ太郎!」


そう言うと奈々は俺の目の前に茶色い生き物を差し出してくる。


「ネーミングセンスねえな・・・」


寂しい奴には、寂しい仲間がくっついて来るらしい・・・。
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