接吻《修正中》

あの日から、奈々は気付くと俺の傍をうろうろしていた。

俺を好いてるってのは一目で解るくらい、奈々は俺の傍に居ようとした。

面倒だと思いつつ、俺はそれが楽しくて仕方ない･･･。

奈々はどっから拾ってきたんだが知らないが、今日はチャ太郎と名付けられた茶色い柴犬を抱きしめていた。


「てめえで飼え･･･」


奈々が勝手に拾ってきたくせに、俺がなんで面倒みなくちゃいけないんだよ。

第一、俺は猫派なんだ。

犬派じゃねえ。


「だって、だってだって！こんな雨の日に一人ぼっちなんて心細いじゃない！寂しいじゃない！空も暗いし、雨は冷たいし･･･お腹空くし･･･まだこの子、小さいんだよ？」


寂しいとか、心細いとか。

なんでお前は簡単に言うんだ。