接吻《修正中》
*****



「寛久!見て、これ苺の形!これにしよう!ね!これ可愛い!」

「・・・バッカ野郎!男の部屋に苺置けるかよ!」

「寛久の部屋だけど、使うのはチャ太郎だもん!」


次の日、いつものように大学で奈々に会った。

遠くから人に囲まれる俺をずっと一人で見つめていて。

俺は気付いたらその輪から抜け出し、奈々の腕をひいていた。

チャ太郎の家とか首輪とか、ないと不便だ・・・なんて変な言い訳並べて、奈々をペット用品専門の店に連れて来た。


「あのな?チャ太郎の家は俺の家なんだよ・・・」

「イダダダダダ!ず、・・・ズミマゼンズミマゼン!わ、解りましたんで・・・頬っぺた摘むの辞めてグタザイー!」


ギャーギャー騒ぐ癖に、奈々の顔は気持ちわりぃくらいに笑顔で、俺まで笑っちまう。
< 58 / 115 >

この作品をシェア

pagetop