接吻《修正中》
「ほら、寛久ごちゃごちゃしてるの嫌でしょ・・・?なら、シンプルな黒の方がいいじゃない?飽きないしさ」


奈々は、俺に遠慮してるのか?

どう見てもそれは奈々好みの首輪ではなくて、隣にある赤っぽいの首輪の方が奈々好みだと思う・・・。

でも奈々は黒の首輪を何度も指差した。


「お前が好きなの選べ」


奈々は最後には俺を優先させる。

俺に嫌われたくなくて、奈々は何も言わずにジッと見つめてくるだけ。

いつも、そう。

奈々は本心を言葉にしない。

怖いのだろうか?

何を思われるか不安で怖いのか・・・?


「これがいいの」

「・・・そうか・・・」


嬉しそうに笑う奈々が、何を考えているのか解らなくなる。

深く考え過ぎなのは、きっと俺だけなんだろうけど。
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