接吻《修正中》
俺の中にある記憶。

嫌で嫌で仕方ない記憶。

何年立っても消せなくて、話せなくて・・・。

全てを話したくても、思い出したくないんだ。

なあ、奈々。

お前は笑うだろうか?

こんなふうに格好ばかり一人前の俺を、笑うだろうか?

朔にさえ怖くて言えねえのに・・・。

奈々。

お前はなんて思うだろうか?

雨が嫌い。

一人が孤独。

だから、女でしか気を紛らわす術を持たない俺を・・・。

お前は、受け入れてくれるか?

お袋さえいなければ。

そう、家族さえ信じられない俺を他人のお前が受け入れてくれる訳がないよな?

・・・ごめん。奈々。

お前があんまりお人よしだから、俺までお前の優しさに頼ろうとしちまった。

お前の見てる世界に、入れる訳がないのにな―・・・。
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