接吻《修正中》
冬の寒さより、雨の冷たさが嫌いだ。

それはきっと、雨の日に拾われたチャ太郎も同じだろう。

雨は冷たい。

そして。

まるで空までもが泣いてるみたいで、心細い。


「・・・なんだ、チャ太郎腹減ったのか?」


俺の手にじゃれるように、チャ太郎は噛み付く。

ああ、本当に奈々みてえだな・・・。


「今ご飯やるから待ってろ・・・」


ゆっくり立ち上がり、ポキポキと背中を伸ばす。

チャ太郎はご飯を貰えると理解してるんだか知らないが、俺の足元を尻尾を振って駆け回る。

飽きないな、コイツ・・・。

犬なんて飼うの嫌だったが、まあ・・・チャ太郎なら悪くない。
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