接吻《修正中》
朔も高校卒業と同時に家を出た。

家族と仲が悪い訳ではなく、ただ行きたい大学が離れていただけだ。


「朔さ、最近実家帰ったか?」


俺が勝手に注文したのが不満なのか、まだむすくれる朔に最近一番気になる事を聞いた。

あの夢は、家に帰れということなのか?


「あー・・・ゴールデンウイークとお盆は帰ったし・・・暇あれば帰ってるよ。やっぱり飯は実家の飯が一番旨いって最近知ったわー」


ケヘヘヘ何て不気味に笑うと、朔は頬杖をつく。

自分のお冷が空になってるのを確認し、ソロリソロリと俺の前のお冷やにてをつけた。


「寛久はいつ帰った?帰っても、おっちゃんいないのか?」

「いや、俺一度も帰ってねえんだ・・・」

「はあ!?」


お冷やについた手を離し、眉を寄せる朔を見ると言った事を少し後悔した。
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