接吻《修正中》
仕事まで辞めて、反省したと思ったから親父は許したのだろうか?


「・・・あんたは、自分勝手すぎるだろ・・・。あんたが壊したくせに・・・」


俺はあんたを、何度怨んだだろう。

憎らしくて、腹が立って・・・。

いなくなっちまえばいいって、沢山思った。


「・・・ごめんなさい・・・。お父さんにも同じ事を言われた・・・。一番大切な物を壊してまで、あんな幸せいらないのにね・・・」

「あんたが浮気をした理由なんか知らないが、今更家族なんかなれねえよ・・・。俺は今まで通り、偽物の家族でいい・・・」


堕ちた場所からはい上がろうともがいても、はい上がる事は出来なかった。

だから・・・もう諦めてしまったんだ。

もう深く堕ち過ぎて、欲しかった手さえ。

握る事が出来ない・・・。
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