接吻《修正中》
悪いとは思うが、俺の中で女は寂しさを紛らわす道具でしかない。

朔に誘われて行く合コンだって、最低だがただの暇つぶしだ。

女が勝手に俺に寄って来て、連絡先を交換する・・・。

そして、雨の日にそいつを呼び出すんだ。

・・・寂しさから逃れる為に。

そんな女達ばかりだから、俺の携帯の電話帳の女達は全員カタカナで書かれている。

リナ、アカネ、ユマ・・・。

同じ名前の奴なんて腐るほどいるから、誰がどれかなんて俺自身も解らない。


『お前も恋をすれば解るんだよ!振られる方の気持ちがさっ!』


だったら、お前は。

好きでもない奴に、好きだの愛してるだの言えるのかよ・・・?

そんな気持ち、残念だが俺はまだ知らない。

俺が知ってるのは・・・。

アイツへの憎しみと、ひとりの寂しさだけだ・・・。
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