接吻《修正中》
一人ぼっちが嫌いなくせにいつも一人で。

一人の奴をほっとけなくて、自分を盾にする。

だからきっと、俺はそこに入ろうとしてしまう。

奈々が俺に近付くんじゃなくて、きっと俺が奈々を求めてる。

心の支えとして―・・・。


「・・・私、きっと寛久の事何も知らないわね」


理解されたいなんて思っちゃいない。

だから奈々も、俺を深く追求しようとしない・・・。


「家族なのに、何も知らないなんて・・・」

「・・・別にいいよ。・・・家族なんて名前だけなんだから・・・」


大切な物を全て失う悲しみを、やっとあんたは知るんだ。

俺が味わった苦しみを、今度はあんたが味わえばいい・・・。

今度はあんたが、堕ちる番だろ?
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