君と一緒
5節
side:カイタ
寝たか…
俺はまた玄関に行って扉すりぬけ外にでた。月明かりがキレイだ。
なんでさっきは触れなかった?
「それは願ったからじゃ。」
俺の左側から声と足音が聞こえてきた。
どこかで聞いた口調…
「カイタ。お前が強くしずくさんを思ったからじゃよ」
だれだ、この20ぐらいの人は…
つかなんで俺の名を…
「あの、さ~せん、あんたはどちらさま?」
ガッ!…
なぐられた。
「全く、こっちの世界にきてもお主の無礼はかわらぬのぉ」
す、凄い剣幕でみつめてくる。
「神じゃ。3日ぶりよの、カイタ。」
「あら、どちらさまかと思えば、神さまですか。(笑)…」
…はぁあ!?神!?
えっ…あいつって、ハゲジジイじゃなかったっけ?
「神、…なのか?」
信じられん。
「そうじゃ。なんじゃ、信じられんという顔をしおって」
え、いや、いや、いや、いや…
あり得ねえよ。
イケメンだし。
「いや、どうしちゃったんだよ、そのフサフサの白髪!」
神の頭を撫でた
「…ふむ神と知ってもこの態度…このように気楽なものは我の前ではおらぬからのぉ…」
ヒゲもなくなってる…なんでだぁ??
「神、なんでここまでの変化があるんだ?」
「我のことは別にかまわぬ。お主のことについて話をしよう」
あ、そうだった。
でも神のこともスゲー気になる…なんか色々聞きたいことが増える。くそ…イケメンは罪だな。
「で、なんだよ。話してくれ」
「…お主はまだ、完全に死んでおらん。」
は?
「じゃあ、なんで幽霊になったんだ?」
死んでない?
じゃあ俺は生き霊かなんか?それとももともと生まれが幽霊?
「…生き霊も立派な幽霊じゃよ。お主の体はこの世で機械によって生きている。」
俺は機械人間の生き霊なのか…
「わかっていると思うが、
脳死状態のお主がおる」
…機械人間じゃねぇのかよ。
とりあえず俺は生きてるんだな。
脳死…
でも脳が死んでる状態だろ?
もう死んでるようなもんじゃんよ。
「へぇ、脳死状態なのか。じゃあ、死にたくても走馬灯とか見れずに死にそうだな(笑)」
「まぁ、そういうことじゃ。お主は21時頃から23時頃まで意識があった。その時間帯には実体化を果たしていたのだな」
にわかには信じがたい。