君と一緒
side:カイタ

「君の家は、一体なんなんだ?あのタバコ女は?」


俺は気になってしょうがなかった。



とにかく聞きたい。知りたい。





出来ることならば




救ってやりたい。



しずくがじっと俺を見つめる。そして口を開いた。
「やっぱやめた!」

「なんでだよ、俺、心配性よ?(笑)」


やっぱり話したくないのかな。



でも聞きたい。




気になる。


まぁ、また聞けばいいか。


「そういやさ、しずくは中学行ってるんだよな?」

「カイタさん行ったことないの?」

んなこと言われてもなぁ…

しずくの場合は質問には質問で帰ってくる。
それでお互い答えあって知る感じ?

話してると楽しかった。

明るい子だとわかると、





余計に気になる。



なんであんな家庭なのか。

しずくはふと公園の時計を見た。もう9時に近い。


「しずくんちは門限とかないのか?」


「ないよ。心配する人なんていないし(笑)
帰ったってさっきみたいになんかされるだけだし(笑)」

笑うなよ






…辛いくせに。
暗くて表情みえないけど…



「誰かに相談して助けてもらいな。つか、助けてもらわなきゃ、君はダメだ!」

俺は断言するように言った。

「…無理だよ」
「なんでだよ」

「辛くないよ?門限ないし、他の人に比べたら自由だもん(笑)」





もぅ、本当にこの子は…





「いいか、しずく。
君は孤独だ、孤独すぎる。
親からはヤケドさせられ、姉からもかばわれない。
だったら他の人に助けてもらうしか」
「うるさい!」
突然しずくは怒鳴った。


辺りが静まり返った。
しずくは一つ一つ、涙を流し始めた。しずく...


「あんたに何がわかるっていうの!?
助けを求めろ?相談しろ?
もうずっとあんなんで過ごしてきて中学だよ?
ねぇ、この意味わかる!?ねぇ!!

うわぁああああああ!!」

しずくは思いっきり泣き叫んだ。



そうか



助けを求めても助けてもらえなかったのか。




なんで世の中はそんなに冷たい?



なんで幼いころからそれをしずくが学ばなければならなかった?



しずくの過去が俺の過去よりも気になる


そしてしずくが積み重ねてきた




悲しみ



恨み



憎しみ




苦しみ...




どういう方向に行ってしまうのか。




心配だ。
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